何も考えずにまずやってみなよ!
地域の人の手伝いから始めるのもアリだと思う。

半谷啓徳さん 水稲栽培

農業をはじめた理由とやりがいについて

就農する前は民間の会社でサラリーマンをしていました。もともと父親が兼業農家で米作りをしていて、震災後は一旦営農が出来なくなりましたが、除染が済んだ農地で試験栽培がはじまって、そういった取り組みを見ている中で、今度は自分がこの浪江町で「やろう!」と思ってここで就農しました。今思えば思い切った事をしたな…とは思います(笑)。
福島県が主催した研修を1年受けて、その後農業法人で2年間勉強をしました。正直なところ大変ですが、毎日楽しく農作業しています。やっぱり1年かけて育てた米の収穫時は一番やりがいを感じますし、楽しいですね。

米単独での就農にあたり取り組んだこと

販売ルートを自分で確立しながら米作りをしています。お米が余っていて米価が下がっているという傾向がずっと続いている状態で、米だけで単独で就農しようとすると、経費と売価に釣り合いがとれないところがどうしても出てきちゃうので、契約栽培とか、そういったものを取り入れてやっていこう!という形に決めてから始めました。売り先はいっぱい確保していた方が良いし、リスクは分散させた方が良いって常に考えて米作りをしていますね。

収入についてと意気込み

米は年に1回、秋しか収入がないんです。そうしたら1年分生活するための、自分に必要なお金と、お米を作るために必要な経費を確実に確保しておかないと、次の秋まで生活できないです。秋に収入があったもので、また次の年計画を経てやっていかないといけないので、自分が生活するために必要なお金、経営するために必要なお金を、大まかでいいから把握して、その収入を確保するために、自分のやりたいものだけで賄えないのだったら、違うものを作っていくかとか、しっかり考えておかないと難しいです。それはとても大事だと思いますね。米は本当に美味しいと思います!買っていただいている方にもとても美味しいと言っていただいているので、本当にやりがいはありますね。

新規就農者へのアドバイスと浪江町について

「何も考えずに、まずやってみなよ!」って私は言いたいです。農業ってどうしても個人で始めようと思うと、初期の投資がかなり大きくなってしまうのですが、そういったところは考えず、まず地域の中で農作業をやっている人達の手伝いをするとか、とりあえず農業に触れて欲しいと思います。最近は若い人が増えてきて、浪江町の農業は元気なのかなと思います。私自身、町から色々な補助事業だったり支援だったり支えてもらっているので、多分、チャレンジしたいなって思って来てもらえれば、覚悟は必要でしょうけど、受け入れてもらいやすいと思います。